天才を感じさせる経営者と会うのはエキサイティングだ。圧倒的な安さとボリュームで知られる“業務スーパー”の創業者、沼田昭二さんの発想は常人のものではなかった。
“業務スーパー”の基本は完全な製造小売。メーカーに生産委託したPBなどではない。すべて自社工場で作っているばかりか、なんと製造機械までみずから作りあげてしまう。だから他社には絶対真似のできないダントツ商品が提供できる。
“業務スーパー”には海外直輸入品が1,400アイテムが並ぶが、すべて現地の工場からの直送だ。

さらに沼田さんは店舗の冷凍ケースまで自分で設計してしまう。工場から出荷された冷凍食品はケースごと店内の大型冷凍ケースに収まるように設計されている。人が商品の出し入れをする必要がないのだ。こんな具合だから“業務スーパー”には商品をストックするバックヤードがない。その結果、“業務スーパー”の平均販管費率は驚異の14%。他の食品スーパーは逆立ちしても20%を切れない。米国ナンバーワンのウォルマートですら16%である。
沼田さんは“業務スーパー”を展開する神戸物産の経営をはなれ、新しい事業を個人資産で立ち上げた。（株）町おこしエネルギー。その中核事業は地熱発電だ。それも“業務スーパー”と同じフランチャイズチェーン展開をするというのだから驚いた。しかし詳細を聞いていくと、この人なら難しい地熱発電でも成功モデルを創りそうだと感じさせてくれる。すでに15の市町村と契約ずみだ。再生エネルギー業界に革命を起こそうとする独創的な発想、また別の機会に書きたい。

「タカラベnews＆talk」
4/30（金）BSイレブン
よる8:59放送