TAKARABE
JOURNAL本質を捉える視点

COVID-19パンデミックは収束する!

マッキンゼーとBCG(ボストン・コンサルティング・グループ)のCOVID-19の分析レポートを見て驚いた。医学的アプローチで詳細な分析をしているのだ。

両社のレポートに共通しているのは、エビデンスに基づく冷静な将来予測だ。膨大な英文の専門レポートは私の手にあまるので、東大医学部出身の有能な臨床医に読みといてもらった。

パンデミックの収束を考え時に、参考になるモデルが2つあるという。ダイヤモンド・プリンセス号の発症状況と、中国の収束状況だ。

どちらも特殊な環境だ。

クルーズ船の乗客は70代前後の高齢者が圧倒的に多かったこと。医療介入が絶望感に遅かったために感染者、重症者が続出したことこと。このモデルケースの特殊性考慮することで、実社会での感染状況を予測することができるのである。

また中国は初動を誤り武漢で爆発的感染と医療崩壊を引き起こしたとはいえ、その後の対応によって現在、感染のピークを超え、収束へと向かっている。その対応策と現状を知ることは、蔓延が進む国際社会の今後を考える上で大きな示唆を与えてくれる。

🔴ダイヤモンドプリンセス号

特徴は4つある。

①船内の人口分布は圧倒的に高齢者寄りであったこと。

②罹患率は17%。

③無症状率は61

④死亡率は2.3%。

 

実社会に引き直して考えると、高齢者の比率は大きく下がるから、蔓延しても罹患率は確実にさがる。無症状率は間違いなく上がる。

ダイヤモンド・プリンセス号の感染者への治療介入が遅れたことは明らかだから、医療崩壊を起こさなければ死亡率はさらに低下するはずである。

🔴中国

①武漢は現在ほぼピークアウト 

②上海 3月中に完全ピークアウトの可能性大 

③中国 GDPが高い都市は死亡率が低い

BCGもマッキンゼーもほぼ同様の分析をしている。私の取材でも上海の日本企業には2月末には「操業率アップせよ」と地元当局から指示が来ており、上海は現状ほぼほぼ正常化している。

④中国の施策 

 武漢閉鎖、専門病院建設、ヒトの移動制限、在宅勤務、遠隔診療。これは各国大いに参考になる。イタリアは完全に失敗したが、EUは遅きに失した感はあるものの、国境封鎖に踏み切るなど、中国の対応から学んでいることは明らか。

批判は無数にあるだろうが、医療崩壊を最大のリスクと考えた日本政府の対応は評価されて然るべき。

🔴COVID19の特徴

・若年者など感染しても無症状の者が感染媒体となる罹患人口が増える

・症状の進行が遅い医療介入が遅れるリスクあり

・高齢者において重症化率・致死率大きい

・毒性は季節性インフルエンザとSERSの間程度

🔴結論

「中国の経過を鑑み先進国の通常の医療インフラが機能すれば2〜3か月で収束する」

先進国の通常の医療インフラが機能するという前提条件付きだが、

23か月で収束」するという結論には希望がもてる。もちろん誤差はあるだろうが、これが世界に冠たる大手コンサルの分析を参考に、最優秀の医師が出した結論だ。

パニックが一番怖いと言いながら、連日パニックを引き起こそうとしているマスメディアに踊らされることなく、クールに対応したいものである。

ヒトは愚かだが、学習能力はあるのだ。