「危機管理の現場は修羅場である。知識や小手先の技術論は通用しない。成否を分けるのは経営者の『危機に立ち向かう覚悟』である。これなしに危機を克服することは決してできない。企業を人の体にたとえれば、不祥事は悪性腫瘍のようなものだ。危機的状況を脱するためには、病巣を特定し、断固とした外科手術でこれを取り去ることが不可欠である。『大したことはない』と外面を取り繕い、痛み止めで症状をごまかすような対応は必ず失敗する」
山一証券や長銀の破綻に関わった弁護士の国広正氏の著書 『修羅場の経営責任』からの引用だ。吉本興業社長の会見には「危機に立ち向かう覚悟」など微塵も感じられなかった。