「こういう時にこそ脳科学者に分析してもらいたい。兵庫県の斎藤知事の精神構造である。常軌を逸したパワハラ行動は堪え性のない傲慢さを象徴する。ところが延々と続くマスコミのぶら下がりや記者会見、果ては百条委員会にいたるまで、その対応は驚くほど自己制御がきいている。脳科学はこの分裂的人格をどう評価するのだろう。真顔で「道義的責任がわからない」というのは虚言なのか、道徳心が完全に欠落しているのか。いずれにせよ何がどうあっても辞任を否定する彼を見て、あらためて知事の権力の絶大さを思い知らされた」
これは9月10日にFacebookに投稿したものです。
この投稿にいくつか興味深いコメントがありました。
「小野広記by Genspark
斎藤知事の精神構造
兵庫県の斎藤元彦知事の精神構造について、最近の報道からいくつかの重要なポイントが浮かび上がっています。
パワハラ疑惑とその背景: 斎藤知事は、職員に対する威圧的な行動や厳しい叱責がパワハラとして内部告発されました。具体的には、付箋を投げる、机をたたく、エレベーターのボタンを押さなかった職員を怒鳴りつけるなどの行為が報告されています。これらの行動は、彼の総務官僚時代の経験に基づくものであり、「ロジ(ロジスティクス)」への異様なこだわりが見られます。
心理的分析: 脳科学者の中野信子氏は、斎藤知事について「メンタルが強いというより、認めたら負けと思っている人の典型」と指摘しています。これは、彼が自分の行動を正当化し続ける姿勢に現れており、自己制御が効いている一方で、道義的責任を理解していない可能性があるとされています。
官僚文化の影響: 斎藤知事の行動は、総務省出身者特有の「上意下達」の文化や厳しいロジスティクス管理に影響されていると考えられます。総務省では、上司の動線確保や段取りに対する厳しい要求があり、それが彼の知事としての行動にも反映されているようです。
公的対応と自己認識: 斎藤知事は百条委員会で、自身の行為を「業務上の指導」と主張し続けました。また、内部告発した職員に対する懲戒処分も「法的に適切だった」と述べています。このような姿勢は、彼が自分の行動を正当化し続ける一方で、職員との間で認識のズレが生じていることを示しています145。
これらの要素から、斎藤知事の精神構造は強い自己正当化と官僚文化に深く根ざしたものであることが伺えます。彼の行動は、一方では自己制御が効いているものの、他方では道義的責任や他者とのコミュニケーションに問題を抱えている可能性があります。
ちなみに、財部先生のHPも、AIは参照先として提示しています。」
本レポートでご紹介したAI検索エンジンGensparkで「斎藤知事の精神構造」と検索されたのです。小野さんは古くからのHARVEYROAD WEEKLYの会員であり、新しい知識をいち早く実践する姿に感銘を覚えました。Gensparkはまだまだ発展途上です。この解答も説得的とは言い難いレベルです。しかし検索ワードや文章を工夫しながら繰り返すことで、求める結果に近づいていきますから、ぜひ試してほしいものです。同じ検索ワードでも翌日には異なる回答をしてくるあたりも興味深い。
その一方で人間が発する声はやはり説得力があります。大手企業をすでに勇退している2人の方からもコメントをもらいました。
「倉井真
本件の課題の一つは、歴代知事が総務省出身の副知事から知事という流れだった中で金沢元副知事が前知事井戸氏と同様に出馬をする流れを自民党の中央と維新がゴリ押して現知事が誕生しました。であれば、両党は現知事を推したことに対する見識不足が明らかだと思います。
知事職は、幕藩体制の藩主のようなものですから当然就任したら自律心や明快な行政ビジョンの無い方は、ある意味でバカ殿化するのは普通なのかもしれないですね。一番異様だと思いますのは、告発者が亡くなり、残された家族に対する温かな心が何も滲み出ていない事だと思います。想像力が無いというのが恐ろしい。また、選挙で莫大な税金投入をして県の財政が悪化する事を有権者は自らの至らなさだと気付かれたらと思います」
今一人はFacebookのメッセンジャーで私的なやりとりのなかでの一文です。
「別件です。私は今、兵庫県民です。以下はご参考ということで。
今の知事に前回の知事選挙で敗れた、金澤さんは旧自治省で兵庫県副知事を長くやっていた方です。金澤さんは、私の中高の母校の栄光学園の1年先輩で、昨年の関西地区の栄光学園の同窓会で会い、その後、携帯でメッセージを交換しています。最悪今の知事がなかなか辞めなくても、来年の選挙で、多少年齢は高くなってしまいましたが、頑張ってもらいたいと思っています」
両者の共通点は“金沢元副知事”です。倉井さん(氏名や所属を公開)によれば兵庫県は「総務省出身の副知事→知事」というパターンが繰り返されてきたと指摘しました。調べてみると1962年以降の4人の知事は例外なくこのパターンを踏襲していました。それがなぜ崩れたかは容易に察しがつきます。井戸敏三前知事は2001年から2021年まで5期のわたる超長期政権となり、この流れを変えたい政治勢力、具体的には維新が独自候補をかついだのです。それが当時、大阪府財政課長だった斎藤元彦だったのです。関西で圧倒的な影響力をもってきた維新にすれば総務省から大阪府に財政課長としていた斎藤元彦はまたとない隠し玉だったのです。兵庫県勤務ゼロとはいえ歴代知事と同じ総務省出身で、ポスト井戸の知事選では「若さ」を売り物に知事選を勝ち抜き、思い通りの維新による維新の為の斎藤知事擁立に成功したという経緯は知らなくてはなりません。
さて、その維新も9日、斎藤氏に辞職を求めたので、これで兵庫県議会の全会派、全86議員が辞職要求をつきつけたことになります。しかし斎藤氏は予算を成立させ、任期をまっとうすることが県民の負託に応える道であるとし、辞職要求に応じる気はまったくありません。このため全会派閥そろって定例議会開会日の19日に斎藤氏の不信任決議案を提出する方向です。不信任決議案が可決されると、斎藤氏には2つの選択肢が残されます。①議会を解散するか②失職です。現状から考えて辞める気はさらさらないので、彼は議会を解散するでしょう。そして県会議員選挙が行われ、新たに誕生した議会が再度、斎藤知事に対する不信任を提出し、可決してようやく斎藤知事失職となります。その後、再び知事選が行われ、正常化する運びとなるわけですが、2度も選挙をしなければならなくなります。議席を失い再び選挙戦を強いられる県会議員たちはたまったものではありません。県民にとっても、2度の選挙で20数億円もの本来必要のない選挙費用も甚だ迷惑です。
まともな知事であれば不信任決議が可決されたら、辞職の道を選択して、出直し選挙に出馬して民意を問います。しかし「道義的責任がわからない」という知事ですから、行動は予測不能。県議会解散か知事辞職か。19日以降が見ものです。
それにしても今回日本社会に大きな禍根を残したのは公的通報制度そのものの脆弱性です。通報者保護強化の法改正を経てなおこの顛末です。これは私の推測ですが、斎藤知事に通報内容を知らせたのは地元の新聞かテレビ、あるいは全国紙の支局の人間です。亡くなった元局長は内部通報の前に外部通報していますから、間違いありません。通報を受けたメディアの人間が斎藤知事に親しく、知事をおもんばかって通報内容を「ご注進」してしまったのではないかという危惧があります。県幹部のなかで最初に通報内容をつかんだのは斎藤知事でしたから。これが今回の公益通報スキャンダルのスタートなのです。ごく少数の斎藤知事の側近幹部たち地元メディアが結託して公益通報者潰しをやっていたとしら、知事個人の人格障害ではすまされぬ恐ろしい事態です。ここまで踏み込んでくれるメディアがあるとすれば、週刊文春だけではないでしょうか。残念ながら公益通報制度はすでに死んだと言っていいでしょう。