茅ヶ崎市に本社工場を構える由紀精密。1950年に小さなねじを作る会社として創業。電気・電子関連のねじ作り専門の典型的な下請け会社でした。公衆電話のカードリーダー部品で成長しましたが、売り上げのピークは1991年。バブル崩壊と、金属部品が樹脂に置き換わっていく中、売り上げは激減。ITブームで光ファイバーコネクタ部品に活路を見出すも2001年にITバブル崩壊。いよいよ倒産かというところまで落ち込みました。2006年に東京大学を卒業し、エンジニアとして活躍していた大坪正人氏は実家の由紀精密に戻り、再建を始めます。何をすれば良いか考え、社員と話し合い、顧客にアンケートをとった結果、「品質」「信頼」が会社の財産であると再認識し、多品種の少量生産に切り替え、電気電子から航空宇宙や医療など先端分野に通用する部品づくりに挑戦していきました。倒産寸前の会社はV字回復で成長し、部品はJAXAの「こうのとり」に採用され、リアル「下町ロケット」と言わる会社になりました。42歳の大坪社長に中小企業、町工場が生き残るために何が必要か、聞いていきます。
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