ジャニーズ関連報道には違和感しかない。解体的出直しを迫られながら社名すら変更しなかったジャニーズ事務所の愚かさは語るに落ちるが、ジャニー喜多川の犯罪を一切報道してこなかったテレビ局の罪深さは、キャスターふぜいが反省の弁を述べて事足りるものではない。
性加害は「噂」ではなく最高裁で有罪判決まで出ている「事実」だ。さらに被害者の暴露本も複数出版され、文春は性加害キャンペーンを繰り返し行なってきた。それでもテレビ局は黙殺してきた。
その理由はジャニー喜多川に対する恐怖以外のなにものでもない。不利な報道をすれば視聴率が稼げるジャニーズタレントの出演拒否は明らかだ。アンタッチャブルな存在として、一切の犯罪行為をスルーするに越したことはないというのがテレビ業界界の常識だった。
「メディアの沈黙」はテレビ業界の「暗黙の了解」が招いたものと言って良い。結局のところもテレビ局には人権もなけれは正義もなく、あるのは視聴率アップへの渇望だけだから、自分に関わりのない事件や事故には飛びつくが、自社の不利益につながる案件は報道しない。私に言わせればテレビ局はジャニー喜多川の共同正犯だ。
ことここに至ってもNHKも民放も誰一人として経営者は会見しない。自分たちも加害者だという認識がないのだ。だから今もって何もなかったかのようにジャニーズのタレントを出演させている。
逆にテレビCMのスポンサーたちの間では、ジャニーズタレントのCM起用中止ドミノが始まっている。まともなガバナンスがある企業ならばあたり前だ。
テレビ局のトップ自ら顔出しで性加害企業の片棒を担いできた重罪を認め、謝罪すべきである。そしてジャニーズタレントは今後一切出演させないことも付け加えるべきだ。
タレントは他の芸能事務所に移籍すれば良いだけだから、心配は無用である