TAKARABE
JOURNAL本質を捉える視点

「本物」は「本物」を知っている。

京都では真似しいは嫌われる。零細企業であっても世界一の製品を作っている会社が尊敬される。

本物であるかどうか。それ京都基準である。

経営者仲間との勉強会では大人の修学旅行をやってきたがコロナ明けで久しぶりに再開。今年は京都ならではの伝統文化、食、産業に通底する本真を求めてやってきた。とはいえ、修学旅行は、おもしろおかしくが鉄則だ。日本に初めて科学を持ち込んで島津製作所、京都手染め友禅の巨匠・藤井寛さんなどから、それぞれの未来予想図について語って頂いた。

20年前に島津製作所の一社員だった田中耕一さんがノーベル賞をとったことで社内にはどんな化学変化が起こったのかと尋ねてみた。

「最先端の研究だけが研究ではない。ニーズと向き合ってさえいれば、古い技術どうしが結合して最先端に躍り出ることを確信した島津の技術者たちは、ノーベル賞で大いに鼓舞された」という。

皇室に愛された藤井寛さんの着物は吉兆を表現する「瑞雲」がトレードマーク。着物が完成するまでには15行程もの複雑で繊細なプロセスを経ていく。藤井さんはその行程全体を束ねる「染匠(せんしょう」だが、白地に複雑な模様を描く「下絵師」でもある。今年88歳になる藤井さんだが、一人娘の友子さんが「染匠」と「下絵師」を継承し、流通革命を目指した新事業も始めた。

今年、史上最強横綱の白鵬の断髪式に出席した婦人と三姉妹が着ていたのも藤井さんの着物だった。「本物」は「本物」を知っているという図であった。

今回宿泊したホテルは「青龍 京都清水」。明治政府に先駆けて京都は町ごとに地域の人々がドネーションして「番組小学校」を整備した。ホテル「青龍」は廃校された番組小学校の建屋をそのままにリニューアルしてスモールラグジュアリーホテルに生まれ変わらさたが、その背景にあったのは地域の人々の「番組小学校」の深い思い入れだったという。ルーフトップBARK36」の夜景にノックダウンされた。

京都は本物だから、いつ来ても

「おもしろおかしい」。