TAKARABE
JOURNAL本質を捉える視点

岩手県八幡平市「町の人事部」

まれにFacebookからリアルフレンドが生まれることがある。
振り返ると、職業的好奇心から、私が取材したいと思った人物ばかりだ。但し私が一方的に会いたいと思っても関係は成立しない。一定の相互理解と相思相愛の関係がなければだめだ。
そんなこんなを乗り越えて、リアルにお付き合いするようになった一人が写真右の男前、松江英夫さんである。デロイトトーマツのCETL(Chief Executive Thought Leader)だ。久しぶりの会食は、結果的に出版祝いの宴となった。
「『脱・自前』の日本成長戦略」
ビジネスの現場に精通するプロフェショナルが読み解いた日本の成長戦略は説得的だった。
岩手県八幡平市の「まちの人事部」はまさに「脱・自前」の好事例だった。引用する。
「多くの地方では、就職をきっかけに若年層が流出し、人口減少が大きな課題です。これは地方の中小企業にとって深刻で、人材獲得がままならず事業の存続が見込みにくい状況を抱えています。
そこで、行政が民間と連携して人事機能を集約するシェアリング事業を始めました。中小企業が採用などの人事機能を自前で持たなくても人材獲得できるという脱自前の取り組みです。
八幡平市では、地域の産業全体を一つの大きな事業体に見立て、希望するすベての事業者の人材採用、育成、定着といった人事にまつわる機能を支援する『まちの人事部』事業を開始しました。公募によって選ばれた民間のスタートアップ企業と組んで『①企業人材確保支援』『②副業人材マッチング支援』の2つを軸に据えた事業を実施して成果をあげています。これは、中小企業が個々で人材採用することが困難な中で、自治体、地域外のスタートアップ企業、地元企業による三位一体のつながりを最適化することで解決に繫げる。脱自前の取り組みです」
やるなあ、八幡平市の町の人事部!